演奏記録

国境を越えた共演:ボストン・プロムナードとProject Kokinの協演

2025年10月7日、山梨県北杜市にある長坂コミュニティーステーションでフィンランド ビックバンド コンサートが開催されました。フィンランドのビックバンド「Boston Promenade」に、日本の箏アンサンブル「Project Kokin」がゲスト出演し、北欧のジャズと日本の伝統音楽が融合するコンサートとなりました。

今回参加したProject Kokinのメンバー

鈴木泉芳さん、常磐琴音さん、頴川奈津子さん、松本琴光堂和楽器店の渡辺清弘さん

今回参加したProject Kokinのメンバー

地域企業が繋いだ縁:音楽による国際交流への想い

この演奏会は、山梨住宅工業株式会社の北原社長からの提案がきっかけで行われました。同社は30年以上にわたりフィンランドと木材貿易の繋がりがあり、文化交流を促進する「八ヶ岳フィンランド協会」を設立しています。「音楽で日本とフィンランドを繋ぐ」という目的のもと、ジャズをはじめとして音楽が盛んな北杜市を舞台にこの企画が立ち上がりました。

言葉の壁を越えて:本番で結実した音楽的対話

Project Kokinのメンバーにとって、24名に及ぶ海外のビッグバンドとのイベント制作は初めての経験でした。準備では言語の壁があり、日本の楽器である箏の特性が伝わっているのかもわからない状態。例えば、たった13本の弦から音楽を奏でる箏は、転調に時間がかかる特性を持っています。この日のアンサンブルのための楽譜作りなど、多岐にわたる調整の中、対話を重ねました。提出された楽譜に、意図通り楽器の特性に合わせた配慮がされる等、日に日にお互いの理解が深まっていくのを感じました。公演直前まで、身振り手振りを交えて交流し、例えば、フィンランドの演奏家が箏の音色を聴き、その音を優先してアレンジを調整するというように、より良いコンサートを全員で作っていきました。

公演では、Project Kokinは第二部の途中から登場。始めに「さくら変奏曲」を箏のみで演奏。ビックバンドが高めた会場の興奮を、和の緊張感で包みました。その後、ビッグバンドとの共演が始まり、日本の歌謡曲をはじめとして、様々なジャンルの曲が演奏されると、会場にはより一層の一体感が生まれました。

演奏中の様子
演奏中の様子

ステージを離れた交流:箏の体験と音楽への向き合い方

公演前日には、両国の演奏家による文化交流会が行われました。フィンランドのメンバーが箏を体験し、その音の美しさや演奏姿勢に感心していました。

お箏の演奏体験をするフィンランドメンバー
お箏の演奏体験をするフィンランドメンバー

Project Kokinのメンバーは、フィンランドの音楽家たちの音楽への向き合い方、特に純粋に楽しむ姿勢から多くを学びました。言葉が通じなくても音楽で繋がれることを実感し、固定観念にとらわれず柔軟に対応する力が身についたといいます。

公演の成果と今後の展望

この演奏会は、異文化の音楽が融合し、箏の音色をビッグバンドのファンに届ける機会となりました。海外の音楽家との共演はProject Kokinにとって貴重な経験となりました。様々な文化と交流することで、より広い視野を得られます。今後もProject Kokinは、国際交流にとどまらず、様々な文化と触れ合っていく中で、箏の普及を目指して参ります。

文化交流会時のコンサートメンバー
文化交流会時のコンサートメンバー

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